- 高11同期会主催公演会
- 普通教室
- 12:30~13:30
-
|
- 講演題目:「日本のサケ」
講 師:技術士(水産部門)遠藤紀忠氏
- 講演要旨:
- ≪私たちが食しているサケの正体は!≫
- 近年回転すし店を中心に生鮮サケを生で食するが、これらの生鮮サケはノルウェー等より輸入されている養殖サケである。一方スーパーの店頭に並ぶ塩鮭は南米チリ産の養殖サケが多い。日本人が食するサケも日本産→外国産へ、天然サケ→養殖サケへ移行している。そこで、日本人が食するサケや遊漁対象魚としてのサケの種類、天然サケ、養殖サケとは何かをお話しましょう。
- ≪サケはどうして生まれた川に戻って来られるのか?≫
- 「日本のサケ」はシロザケに代表される。サケは漁業水産資源や食材として重要であることにとどまらず、川で生まれ、遥か沖合の北太平洋で育った後、産卵のために再び生まれた川に戻り一生を終る。その神秘性に満ちたドラマティックな一生が人の心をゆさぶり続けてきた。サケは古来より日本人に最も広く愛されている魚である一方で、海での暮らしや母川回帰のメカニズムなど、サケが示す生物学的特徴とそれに関与する遺伝的・生態的要因についてはまだほとんどわかっていない。近年その一端が解明されつつあり、日本のサケの回遊場所、回帰のメカニズムにつき最近の研究成果を紹介する。
- ≪日本のサケ資源はどうやって維持されているのか?≫
- 日本のサケ資源はほぼ100%、人工ふ化放流事業により資源が保たれている。人工ふ化放流とはサケの一番弱い時期(卵→孵化→稚魚)を人間の手で管理し、成育期(幼魚→成魚)を天然海域に委ねるサケの増殖方式である。現在日本各地で毎年約20億尾の稚魚が育てられ放流されており、3%の回帰がみられる。日本のサケは北日本の沿岸定置網漁により捕獲されている。
- ≪サケの産卵シーンをお見せします!≫
- 北海道「標津サーモン科学館」より提供いただいた「シロザケの産卵行動と産卵」の動画映像を見ながら「サケの自然産卵」についてお話しいたします。時間が許せば「地球温暖化とサケ資源」「サケ釣り」「観光とサケ」「サケ料理」「サケの栄養」等も簡単にお話します。
- 講師略歴:
- 1940年満州鞍山市に生れる。
- 1959年小田原高校卒業。1964年東京水産大学(現東京海洋大学)卒業
- 1964年~2001年日魯漁業㈱(現㈱マルハニチロホールディングス)漁労・養殖・貿易部門に勤務
- 2001年~2005年㈱五冷フーズ(北海道標津町にあるサケ加工工場)勤務
- 2005年~2008年標津サーモン科学館(北海道標津町)臨時職員
- 資格:技術士(水産部門) 著書:「標津のサケ」(2006年発行)
|